穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「ねぇ孝徳・・・」

なんか話したくなった・・・

「ん?どうした?」

「話・・・してもいい?」

「無理にしなくていい。辛い顔させたくないから・・・」

「辛くなってまた泣いたら、抱きしめてくれる?」

孝徳は私を驚いた目で一瞬見た。

「ああ、だから辛くなったらそう言って」

「ありがとう・・・」

窓から新緑を眺めながらゆっくりと話し始めた。

「『オールしよう』って言ったとこまで話したよね」

いちよ、孝徳に確認する。

「ああ」

短く答えた。

「その日は何もなかったの。私の方がキスしてくれたらいいのになんて思ってたかも。もちろん同棲中の彼にめちゃくちゃ怒られて・・・それから2ヵ月くらい経って、同棲解消して別れた」

「あいつとは続いてたの?」

そこまで聞いていた孝徳が少し強い口調で問いかけてきた。

問いかけられるなんて思わなくて、孝徳を見つめてしまった。

「ごめん。少し気になったから」

「・・・同棲中の彼氏と別れるつもりはなかったの」

私は視線を窓の外に向ける。

「そんな誤魔化し方ダメだよね。ちゃんと別れてからにしようって言われてたの。別れられないなら付き合えないし、別れてから付き合おうって言ってくれた。どうするかは私次第だった。同棲していた彼氏は私をとても大切にしてくれていた。でもそれに気付いたのは別れたいって言ってからだった。私に興味がないように見えてたの。でもそれは信じてくれていたんだって気づいたのも遅かった。私も彼以外に誰かを好きになるって思ってなかったのに歯車は狂ってしまった」

ペットボトルのカフェオレを一口飲む。

「大丈夫か?」

って孝徳が声を掛けた。

「大丈夫。もし私の話を聞いて”友達”できなくなったら、ちゃんと言ってね」

「咲希、俺が話を聞きたいって言った。どんな話だろうと俺は受け止めるよ。それに過去だろう?」

「過去だけど、過去も全て私だから・・・」


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