穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「同棲を解消して、一緒に住んでいたマンションを解約して私は一人で住み始めた。それからあの人と付き合い始めたの。幸せな期間もあった。大切にしてくれてたと思う。でも私は彼を信じることが出来なかった」

なんで信じられなかったんだろう?

「人付き合いをとても大切にする人だったの。色んな情報を仕入れる為に飲み会にもよく参加してた。誘われたら断らない人だったから、彼の周りには男性も女性もいた。私はやきもち妬いて、自分で作りあげた嫉妬に苦しんだの。顔が荒れて、痩せて・・・もうね、酷かったよ」

ホントにあの頃は酷かった。

「何に対してもやきもち妬いて、彼の行動が気になって気になって・・・私はもうダメだなぁって思って、別れなきゃって思った。自分が壊れていくって・・・でも別れられなかったの」

自分から言えたら今とは違ったかな・・・

「私の言動で何かを気づいた彼は自分の家に私の衣装ケースを増やそうって言ってくれた。それでまた別れないことを選択して・・・一人でいる時間を大切にしないといけなかったのに、それさえもしなくて、休みの日は彼の部屋に入り浸って・・・そして、今度は彼がダメになっていったの」

あの頃の私は自分のことしか考えられなかった。

「彼は『一人になりたい』って言ったの。別れを言われるのはきっとわかってた。だから自分から言わないといけなかったのに、言えなかった。彼に言わせてしまった一言」

< 22 / 181 >

この作品をシェア

pagetop