穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
月曜日
いつもの時間に家を出て、マンションの前。

そういえば・・・後ろを振り返って見た。

明らかに早川さんだとわかる人が歩いている。

彼は私が見ているのに気付いて、足早に私の前に到着した。

「おはよう」

そう挨拶した。

「おはようございます。ホントに同じタイミングなんですね」

二人で歩き始める。

「あっ一人がいいなら、俺は遠慮するよ」

「いえ、大丈夫です。早川さんとなら気兼ねなく歩けそうだから」

「それは褒め言葉?」

「そうですよ」

ホントにそう思っていた。

彼とは気兼ねなく、気を遣わずにって言った方がいいのか・・・

他愛無い話をしながら歩いていく。

「そうだ。早川さんって家どの辺ですか?」

「咲希の家から10分くらいかな」

「40分くらいかかってる?」

「かかってるね。でも歩くとストレス解消するみたいでいいんだ」

「あっ私もです。歩けるかが家を借りる基準になってます」

「それ俺もかも」

二人で顔を見合わせて笑いあう。

なんかいいなぁ~こういうの。

楽しいかも・・・

会社の入っているビルが近づいてきた。

駅を利用している人が多いから、反対方向から歩いてビルに入る私たちは目立った。

いつもは一人なのに、二人だからなおさら。

失敗したと思ったけど、しょうがない。


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