穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
その日の午後、ほとんど仕事が進まなかった。

予定してた仕事が残業しても終わらない。

仕事をしていても考えてる。

今日の効率は最悪。

「咲希」

えっ?

誰もいないかフロアを確認する。

私と孝徳だけだった。

「さすがに誰かいたら名前は呼ばないよ。それよりどうした?捗ってないみたいだけど・・・」

バレてる。

「ちょっと集中力かけてるみたい。明日にしようかな」

「じゃ一緒に帰る?俺も上がるから、軽く飲む?」

「うん。じゃ軽くね」

そう言いながら、明日頑張ろうと思いながら片付けて、パソコンの電源を落とした。

「じゃ行こうか?」

「うん」

フロアで最後になると鍵を掛けてセキュリティーを掛ける。 その作業をするらしい。

孝徳は鍵を持っているらしい。

私は最後になったことがない。たいてい上司が残ってくれてる。

「今日、みんな帰るの早かった?」

「俺が残ってるからいいって言った。咲希が終わりそうになかったから」

えっ?

「午後から全然捗ってなかったろ?森さんに何言われたんだ?」

えっ?

「森さんから内線があったから。ちょっとイジメちゃったからフォローしてって」

加奈子のやつ・・・

孝徳にフォロー頼んでどうするの。

孝徳に話せないよね?

ホントにどうしよう・・・

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