穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「・・・私は今みたいに孝徳の側にいてもいいの?」

ズルい聞き方。

ダメって言わないってわかって聞いてる。

孝徳は私を傷つけるようなことはしない。

私・・・ズルいな・・・

「ズルい聞き方だね」

そう言われた。

私の心を読んでるような・・・

「森さんが何を言ったのかと思ったけど・・・俺は、咲希と一緒にいて楽しいよ。大切って言ってくれたのも嬉しかった。今はそれでいいんだ」

「孝徳・・・」

「森さんは急かしてるんだよ。早くなんとかしないと、俺が誰かを好きになるかもとかって言ったんじゃないの?」

スルドい・・・

「・・・・・・」

答えないのがその通りです。って言ってる。

「咲希が恋をしない。って言い切ったのが寂しかったから・・・焦らなくていいだよ。俺は咲希に恋をしてほしい。って思ってて、もしそれが俺じゃなくてもそれはそれだよ」

ん?

私は顔を上げた。

孝徳がジョッキを持ち、半分くらい飲み干した。

「まっ咲希が新たな恋をするなら、俺だろうけどね」

と、口角をあげて笑った。

私もつられて口角を上げた。

「ありがとう」

そう言って、ビールを飲み運ばれていたものを食べる。

思ったより食は進んだ。
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