穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
孝徳が家を出てから勉強、勉強。

過去問を解きながら、時計を何度も見る。

1問解いて見て、1問解いて見て、まだ10分、さっきから10分しか経ってない。

はぁ~

ため息・・・

こんなこと今までなかった。

"友達以上恋人未満"の関係のままなら、こんなため息はなかったのだろうか?

自分の気持ちに気づいてしまったから、こんなにため息が出るのか・・・

それはもうわかりようがない。

はぁ~

でも勉強しなきゃ。

「勉強、勉強」

そう声に出して、自分のやる気を起こす。


それから何度も時計を見たけど、難問を解いてかなり集中出来た後に時計を見る。

11時半を過ぎていた。

「もうすぐ帰って来る」

そう思うと嬉しくなって、楽しくなっていた。

この調子ならもう1問解けそう。

そう思い、もう1問問題を解くことにした。

もうすぐ会える。

そんなことを思える自分が幸せだと思う。

気づかない振りなんてしていたんだろう。

孝徳一緒に居てくれたから、私は心が軽くなった。

「自分を責めるな」って言ってくれたのが嬉しかった。

私が好きになれるように時間をかけてくれた。

孝徳の優しさがとても嬉しい。

帰って来たら、伝えようか?

そんなことを考えて、もう一度集中し問題を解いていた。


< 97 / 181 >

この作品をシェア

pagetop