星月夜



「美鈴の家はちょっと複雑で、アイツが小学生の時に母親が男と逃げて、それ以来父親も荒れてあまり家に帰って来なくなった。美鈴はいつも家で一人だったんだ」


いつも明るくて優しかった美鈴先輩…

お家がそんな状態だったなんて微塵も感じなかった


きっと、寂しかったはずなのに…



「そんな美鈴の唯一の支えが瞬の家族だった。瞬の家は母親だけだったし、その母親も仕事で不在がちだったけど、それでも美鈴を本当の娘みたいに可愛がってた。アイツらは兄妹みたいに育ったようなもんだよ」


私も何回か会った事がある瞬のお母さん…


今思い出すと美鈴先輩と似てた…

きっと、美鈴先輩が瞬のお母さんを見て育ったから似てたのかも知れない



私が思ってた以上に瞬と美鈴先輩の繋がりが深かった事に胸が締め付けられた



けど、瞬は美鈴先輩を兄妹としてじゃなく…一人の女の人として見てたのに


美鈴先輩は瞬の気持ちに気付いてたのかな




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