星月夜

連れて来られたのは私のバイト先からすぐ近くの居酒屋だった

「おうっ愁、久しぶりだなぁ~。何だ?今日は女連れか?」


「‥まぁな」


先輩はどうやらこのお店の顔馴染みの様で案内される前に勝手に席に着いた



「ほら、何食べる?好きなもの選べ」


そう言って私にメニューを差し出す


「‥いえ、結構です」


私はメニューを開く事なく先輩に押し返す



「ったく、ちゃんと食わないとダメだぞ?お前痩せただろ?」


「‥ダイエットしてるんです」


ダイエットなんかしてないけど私は苦し紛れにそう言った





「ったく!」


先輩は呆れた様に呟くと店員さんに適当に注文していた


 
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