星月夜
記憶の欠片
『瞬也、七瀬ちゃん!おっはよー』
並んで歩く私たちの肩をポンッと叩き、その鈴の様な可愛らしい声に振り向くと―――そこに立つのは名前負けなんてしないくらい可愛らしい女の子。
彼女の名前は本多 美鈴。
瞬の幼なじみだった。
「おはよう、美鈴」
「おはようございます」
瞬の後に続いてペコッと頭を下げる
「今日も朝からラブラブね♪」
彼女の視線は私たちの顔じゃなく少し下‥‥手元にあった
「だろ?」
瞬が繋いでる手を見せつける様に持ち上げて笑った
そんな風に笑わないで
そんな寂しそうになんか笑わないでよ
「ふんっ!いいもん!私たちだってラブラブなんだから!ねー愁?」
そう言って振り返った先にはいつも美鈴先輩の彼――滝沢 愁先輩がいた