星月夜


「ほら、座れ」


部屋を出るとそこはもうリビングで、スーツ姿の滝沢先輩が忙しなく動いていた



私は言われた通りダイニングテーブルの椅子に座った





「‥‥あの?」




聞きたい事がたくさん有りすぎて私は何から聞いたらいいのか戸惑っていると


「七瀬、お前今日バイト休みだよな?」


「‥‥え?あー‥うん」




私は昨日までは“ちゃん”付けで呼ばれてたのに‥‥いつの間にか呼び捨てになってた事と


何故、私のバイトの休みを彼が把握してるのかと言う疑問を飲み込んだ




‥‥滝沢先輩はやっぱり私のストーカーか‥?




「なら、俺が帰ってくるまでここにいろ」

「え?何で!?」



驚く私を余所に滝沢先輩はネクタイを絞め始めた



「着替えないだろ?昨日の服は今朝クリーニングに持ってったから、仕事帰りに俺が取って置くる」


「‥‥服?」


何でクリーニングなんかに?


「覚えてないのか?昨日俺のビール奪おうとして手滑らして自分の服にぶちまけてただろ?」


‥‥嘘。

私‥‥そんな事したの?




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