星月夜


「先輩っていつからカメラやってるんですか?」


「あ?そうだな…初めてカメラ持ったのは幼稚園の時だな」


「幼稚園?」


そんな小さい頃から……


私が幼稚園の時なんかおままごとの何役をするか揉めたり、お姫様に本気でなれると思ってたり………可愛らしいもんだったよ



カメラを持った幼稚園児の先輩と自分の姿を思い浮かべ、ちょっぴり自分を慰めたくなった



「……初めての親父からのプレゼント。つっても親父のお古だけどな。
親父はその頃から仕事で世界中飛び回ってたし、お袋も親父に付いて回ってたから親戚の家に預けられてたんだ。」


へぇー、そんな小さい頃からご両親と暮らしてなかったんだ



家は口うるさいくらい心配性の両親に育てられたからな、寂しさなんて感じなかったけど



先輩は寂しくなかったのかな?


「そんで、俺の誕生日に宅配便で届いたねがカメラ。今でも部屋に置いてあるよ」


「あ、そういえば本棚の脇に…」


古いカメラが1台置いてあったっけ



他のはキレイなのにそれだけ妙に古ぼけてたから気になったんだよね。

お父さんに貰ったカメラだったんだ



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