星月夜


「届いた時はさ、こんなもん送んないで会いに来いよ!って思ってたけどさ、伯父に教えて貰ってシャッター切ってたら段々気持ちよくなって夢中で撮ってた」


先輩はその頃を思い出してか懐かしむ様に遠くを見つめた


「中学くらいになると写真部に入って自分で現像して、高校ん時は伯父の家を出て自分家に戻って親父の暗室で現像してさ」


カメラの話をする先輩はとても楽しそうで、私はある事がふっと頭を過った



「どうしてカメラの道に進まなかったんですか?」



先輩が今どうゆう仕事をしてるのかは知らないけど、いつもスーツを着てるって事はカメラマンじゃないよね?


大学だって普通の学部だったし。



けど、先輩の顔を見てすぐに後悔した。


だって、何だか悲しそうなんだもん



「……すいません。答えたくないなら別に……」




そう言った所でタイミング良く料理が運ばれてきてほっとする


慌てて目の前のハンバーグを頬張ると



お皿に手を付けようとしない先輩が口を開いた




「欲しいものが……」


「え?」




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