星月夜


「欲しいモノが出来たんだ。それを守る為にカメラを諦めた」


欲しいモノ
守る為に…か



夢を諦めてまで滝沢先輩が守りたかったものって何だろう



それを語った時の滝沢先輩の目は凄く愛しいものを見つめる目で



目の前に座った私は思わず勘違いしそうになって視線を逸らした


滝沢先輩の愛しい人ならきっと美鈴先輩だろう



けど、美鈴先輩は死んだ。
瞬と一緒に……。



滝沢先輩が大切なものは美鈴先輩より大きな存在(もの)だったんだろうか



それがなければ美鈴先輩を置いてカメラの道を進んだのかな



気にはなったけど、何故かそれ以上聞いてはいけないような気がして私は聞くことが出来なかった






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