星月夜


「…え?やだっ!水野さん行って下さいよ!」


「あら、私はこれから向こうの注文取りに行くんだもん」


「私!そっち行きますから!」

水野さんをなんとか引き留めたものの、この状況を面白がってる彼女に受け入れて貰えるはずなく彼女は別のテーブルに向かって行った


頼みの綱の水野さんにあっさり裏切られ私は滝沢先輩のテーブルに向かった


「七瀬、お前顔色悪いぞ?」


「……大丈夫です。コーヒーでいいですか?」



1分1秒でも早くここから離れたい


「あぁ、昼飯まだなんだ。しょうが焼き定時も頼むよ」



……お昼まだって……

もう16時ですよ?



「七瀬、ここ終わったら送ってくから。今日は居酒屋の方は休め。顔色悪い」



「……大丈………―――――」



そう言いかけた所で私の意識は途切れた



滝沢先輩が焦ったような声で七瀬と叫ぶ声と、水野さんが私の名前を呼んだ声が聞こえたような気がした




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