星月夜


「七瀬!」



「……………」






「お前、起きてたんなら声かけろよ。もうすぐお前のマンションだから。具合はどうだ?」




「……もう、大丈夫です。ご迷惑掛けてすみませんでした」



そう言った直後、車はゆっくり停車した



「ほら、降りろ。歩けるか?」


そう言って何故か先輩まで車の外に出る



大丈夫です!って威勢良く言ったのに地に足を着いた瞬間ぐらりと揺れた



「大丈夫じゃないか、」


倒れる前に滝沢先輩が私を支えてくれたお陰で地に這いつくばらずに済んだ


けど、次の瞬間、私の足はまた地面から離れる



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