星月夜


すぐにテーブルの上を片し始めスペースの出来た場所に湯気の立つモノが置かれた



「食え。少しでも食べないと薬飲めないだろ」



そう言って目の前に梅入りのお粥が置かれ、しばらく見つめてると「食べさせて欲しいのか?」とからかわれた



滝沢先輩って料理もするんだ…


瞬といい滝沢先輩といい、一体どこまで完璧な男なんだろう……。



お粥を食べ終えたのを見計らって私の前に置かれた風邪薬。
それを飲んで再びベッドに寝かされた




先輩はキッチンで洗い物をしていた


ふいに振り向くと
「お前、バイト先に電話したか?」
そう聞かれた。


バイト先とは多分もう一つの居酒屋の方の事だろう


「あー、それなら大丈夫です…。もう辞めたから」


居酒屋のバイトは先週末で辞めた。


「辞めた…?」


滝沢先輩は何か言いたそうにしてたけどそれを呑み込んだようだった



 

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