星月夜


あたふたとしながらも部署は分からないけどここに勤めてる滝沢愁さんです、と伝えるとまたしてもお姉さんの顔つきが変わった


何なの~?
めちゃめちゃ怖いんですけど。
何で私睨まれてるの?



「あの………?」



黙ったままのお姉さんに勇気を出して話し掛けてみると、表情は一切変えず


「畏まりました。こちらでお預かり致します」


そう言って書類を受け取ろうと手を伸ばしてきた



「あの……滝沢さんは?」


「滝沢は只今打ち合わせ中ですので、こちらでお預かりさせていただきます」



大事な書類みたいだから直接渡したかったんだけどな


けど、まぁ会社の受付の人だし渡さないって事はないだろうな

滝沢先輩にはあとでメールして置こう


「それでは、宜しくお願いします」


そう言って彼女に封筒を渡しそそくさとその場を後にした




< 79 / 136 >

この作品をシェア

pagetop