星月夜


私はお姉さんの顔を見ると、にっこり笑って人差し指を口に当て内緒のポーズをされた


「七瀬ちゃんにだけ、特別サービス」


「あ、ありがとうございます」

私はペコッと頭を下げるとお姉さんは伝票を置いて去って行った


「あのヤロー…」


先輩が小さく呟いて外を見た


「…?いいのかな?」



首を傾げて先輩を見ると、貰っとけ!と言ってハンバーグカレーを食べ出した


そう言えばあの人何で私の名前知ってたのかな?



私も目の前の美味しそうな匂いの誘惑には勝てずスプーンで掬った



卵がホントにふわとろで美味しかったんだけど…

病み上がりに普通の量はちょっと無理だった


どうしよう。
デザートまで貰って置いて残す訳にはいかないよね…



オムライスとにらめっこしてると、私の目の前のお皿がフッと消えた



「腹いっぱいなんだろ?お前はこっちを食え」


そう言われ代わりにデザートの皿が置かれる


「あ、…ありがとう!!」


残ったオムライスは滝沢先輩が残さず食べてくれた





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