星月夜


食後のコーヒーを頂いてお店を出る時、今まで存在を忘れていた“受付けのお姉さん”(プラスそのお友達)がまた私を睨んでいた


けれど、私はその視線に気付かないフリをしてお店のお姉さんにお礼とごちそうさまでしたを伝えてお店を出た


「滝沢先輩!ごちそうさまでした!」


お金を受け取って貰えなかった私は精一杯の感謝の意を込めてお礼をした


「あぁ、こっからどうする?タクシー呼ぶか?」


そう言ってお財布から諭吉さんを出そうとする先輩


先輩って諭吉さん好きだなぁ~。
初めてあった日もコーヒー1杯に諭吉さんだったし


さりげなくお金持ちアピール?
だとしたらなんて嫌味なんだ!

こっからタクシー乗ってもせいぜい千円前後だし!


「大丈夫です!いっぱい食べからカロリー消費するために歩いて帰ります」


「そうだな、豚になったら困るもんなぁ~」


そう言ってニヤッと笑うとお財布をポケットにしまった


「じゃぁ、仕事終わったらまたお前ん家顔出すから大人しく寝てろよ?」


「はーい…。滝沢主任も仕事頑張って下さいね!」


そう言うと滝沢先輩の顔がちょっぴり赤くなったのをからかいお店の前で別れた




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