星月夜

それは駅の近くを歩いてる時だった


蜂谷くんとお店を目指して歩いてると、道路を挟んだ向かい側に滝沢先輩が歩いてるのを発見した



……滝沢先輩、出張から帰って来てたんだ


そんな事をぼんやり考えてると、隣に立つ人物に気がついた


背は高く遠くからでも美人だと分かる女の人


改めて滝沢先輩に目を向けると、彼の服装はスーツではなく私服だと言うことに気付く


滝沢先輩は女の人の荷物を持ってあげているのか、手には二つのバック


その反対側の腕には彼女の手が絡められていた

そんな二人の姿はどこからどう見ても美男美女カップルだ





…やっぱり恋人居たんだね




実は出張なんて嘘で
本当は彼女との旅行だったのかも知れない





そう思ったら胸にぽっかりと穴が開いた気がした





「片岡ちゃん?どうしたの?お店ここだよ」


二人の後ろ姿をぼんやり眺めて居ると、前を歩いていた蜂谷くんに呼び止められる


「あ、ごめん…。ボーッとしてて」



私は無理矢理笑みを浮かべ蜂谷くんの後に付いてお店に入った



 
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