星月夜


中には既に数人が集まっていたけど、話した事のない人ばかりで人見知りの私はしり込みしてしまう


とりあえずこの中でも一番仲がいい蜂谷くんの隣に座り落ち着く。


「片岡ちゃんが参加してくれるなんて初めてだね?」


その一言で飲み物のメニューを見ていた私に一斉に視線が集まる


「あ」とか「う」とか言葉にならない声を発していると蜂谷くんが私の肩をポンッと叩いて


「連れて来るの苦労したんですから!幹事の俺をもっと誉めて下さいよ!」


そう言ってくれたので、話題が蜂谷くんに逸れほっとした




こうゆう飲み会は苦手
やっぱり断ればよかったかな



大学に通ってた時も何度か飲み会に誘われた事がある


たいていは断ってたけど、やっぱり断り切れず参加しても毎回場の空気に馴染めずに終わっていた


あの頃は瞬が居たから誘われても断る口実があったのだけど




気付かれない様に小さくため息を吐き出していると店内に知ってる顔が徐々に増えていきほっとする


開始間際にはなるべく目立たない端の席に移動しひっそりと飲んでいた



< 93 / 136 >

この作品をシェア

pagetop