一人称が私から俺に替わる時

オネエな王子様

一宮……さん?


「だ、誰だよお前!鍵かけといた筈なのに…」


「鍵?あぁ、これかしら?」


うそ、……どうして?


「ひっ、うぇ…いち、み、やさん」

「彼女は私のなの。返しなさい」

「ッチ、うんなこと言われて退くかよ俺高ぶってんだから」

「はぁ、下品ね…」


私には二人が何を話しているのか理解できませんが、

一宮さん…



また、貴方に助けられました。




─ドガッ


「っ、てぇーな!」


「あんたがいつまでも彼女にのっかかってるからよ」



あ、重みが無くなった……


ふ、服!


「ひっ、ひっく…ずっ…」

─バサッ

??


「着てなさい。」


ジャンパー?



温かい………


「あった、これね」

─バギ

「あぁ!お前何てコトを!」


「こっちの台詞よ、最低ね隠し撮りとか。何なら警察に言ってもいいわよ?ニヤリ」

「ッチ!」

─バタバタ


「日咲ちゃん、おいで?」

「いち、みやさん…」

「はいはい。帰るわよ」




どうして



貴方はいつも私の危機に駆けつけて




助けてくれるのですか?




どうして貴方はこんなにも





私に優しいのですか?




どうして……





こんなに










胸が高鳴るのですか?

ねぇ、一宮さん…
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