一人称が私から俺に替わる時
─カタ

「日咲ちゃん」

「あ…」


そっと……そっと、壊れ物みたく触れられて……



何ででしょう?



嫌じゃない…?



むしろ、身体が熱い……



「嫌なら死に物狂いで逃げなさい?」

「どうして…いきなりそんな事を言うんですか?」


「気付いてしまっただけなの」


何を?と、聞く前に……




押し倒されました…。



─ドクン

─ドクン


心臓が…速すぎて止まりそう…です。



あの男性と同じ事をしようとしている一宮さんが……




どうして……


怖くないの?
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