【完】猫かぶり少女と腹黒王子
カァっと顔が熱くなる
「早く帰るよ?」
痺れを切らしたのか、私のカバンを持ち、私の腕を掴んで日向会長は足を進めた
「ちょっと!離して下さい」
私に構わず自分のペースで歩いていく日向会長
男の人のスピードに私が付いていけるはずもなく…
と思ったら急に止まられて
「きゃっ」
日向会長にぶつかってしまった
「椎名」
名前を呼ばれる
「なんですが?」
ぶつかったおデコをさすりながら応える
「手を繋がなきゃ、周りから見てておかしいだろ?」
そう言って日向会長は私の手を取り、恋人繋ぎにしてしまった
でもなんだろ?
懐かしいような、この感じ?
私はそのまま日向会長に家まで送ってもらいました
お母さんに見られなかったことが唯一の救いです