俺様生徒会長に鳴かされて。
涼しげな表情を変えないまま、
けど、断固とした強い口調で、彪斗くんは言った。
「こいつは絶対に捨てねぇ。死ぬまで俺のもんだ」
この言葉には、さすがの雪矢さんも驚いたみたいだった。
余裕溢れる王子様のような顔が、唇を引き結んで焦るような表情を浮かべた。
けど、すぐにふっと笑うと、またあの穏やかな顔でわたしを見つめた。
「優羽ちゃん。こいつを信じちゃだめだよ。
きっと、たくさん泣かされる。
俺は、君の泣き顔よりも…明るく笑った可愛い笑顔が見たいよ。
だって、まだ見せてくれなかったしね」
「……」
「ま、わかったよ。今日はこれで諦めるよ。
でも、お父さんの気持ち、忘れちゃだめだよ?」
「……」
「気が変わったらいつでも俺を頼って。待ってるから」
そうやさしく言うと、雪矢さんは須田さんに振り返った。