俺様生徒会長に鳴かされて。
「『あれ』こそあいつの『手』なんだ。アホみたいに絆されて、変な気持ちになってんじゃねぇよ」
そうなの…?
見上げると、彪斗くんがぐいっと強引にわたしを抱き寄せた。
「俺以外のヤツ見るんじゃねぇよ、ばか」
「ご…ごめんなさい…」
ものすごいこわい顔で見下ろされて、思わず謝ったけど…。
もう…どうして謝らなきゃならないの…。
「ま、なんにせよ、取りあえずこれで良かったんだろ。歌手になるつもりないんだから」
「はい…」
その通りだ。
どうなるかと思ったけど、彪斗くんが上手くカバーしてくれて、なんとかしのげた。
彪斗くんがいなかったら、間違いなくわたし、連れていかれてたな…。