俺様生徒会長に鳴かされて。

「よかったな。汚ぇ大人たちの餌食にならなくて」



「ありがとう…」



湧き起こってきた感謝の気持ちを、精一杯の勇気をもって素直に伝えた。



「べつに」



すると、彪斗くんは急に顔を真っ赤にさせて、わたしから視線をはずした



あれ。



なんだかヘンなの。



彪斗くんって、こういう顔もするんだな。





ドキドキ…。





不思議と高鳴りだした心臓の鼓動に気づきながら、わたしはふと思ってみる。



もしかして、彪斗くんはわたしを守ろうとしてくれているのかな。

無理強いするふりをして、わたしを須田さんたちから引き離そうとしてくれているのかな…。



ほんとはすごく、やさしいのかな…。
< 114 / 269 >

この作品をシェア

pagetop