俺様生徒会長に鳴かされて。
「よかったな。汚ぇ大人たちの餌食にならなくて」
「ありがとう…」
湧き起こってきた感謝の気持ちを、精一杯の勇気をもって素直に伝えた。
「べつに」
すると、彪斗くんは急に顔を真っ赤にさせて、わたしから視線をはずした
あれ。
なんだかヘンなの。
彪斗くんって、こういう顔もするんだな。
ドキドキ…。
不思議と高鳴りだした心臓の鼓動に気づきながら、わたしはふと思ってみる。
もしかして、彪斗くんはわたしを守ろうとしてくれているのかな。
無理強いするふりをして、わたしを須田さんたちから引き離そうとしてくれているのかな…。
ほんとはすごく、やさしいのかな…。