俺様生徒会長に鳴かされて。



そう言い聞かせるように言われて、やっと解放された。



なぜだか脚の力が抜けて、へなりと崩れそうになったのを、

ぱしっと手をつかまれた。



「おっと。腰抜かしてる暇はねぇぞ。

おまえ、メガネとヘアゴムはどうしたんだよ」



「え…あ…!

忘れてきちゃった…」



雪矢さんに取られたまま、部屋に置きっぱなしにしていたんだ。


どうしよう…。


取りに戻るわけにもいかないし…。



「ったく、なにからなにまでどんくせぇな。

しかたねぇな、こいよ」



言うや否や、彪斗くんはわたしの手を引いて、スタスタ歩き出した。



「ど、どこいくの…??」





「決まってんだろ。

今からおまえをブスに戻すんだよ」




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