俺様生徒会長に鳴かされて。



「おまえ、ばかなの?

俺の言うことはなんでもきかなきゃならねぇし、

俺の好きなようにされても文句は言わない。

そう認めさせたのに、もう忘れたの?」



「認めてなんか、ないよ…っ

わたしには、ちゃんと心があるよ…?

『もの』なんかじゃない。

好き勝手にされるだけの彪斗くんの」



「『もの』、だよ」





優羽のわずかな意地をねじり潰すように、俺は低い声で遮った。





「おまえは俺に捕まった小鳥。

俺の好きなように飼われて、好きなだけ鳴かされる。

俺が飽きるまで、な」





ま、たぶん飽きるなんてこと、ないだろうけどな。




おどおどとした感じは相変わらずだけど、

それでも優羽は、俺を見上げ続けていた。



その瞳の奥に眠る意志を感じて、

もしかしてこいつ、案外強情なのかもしれない、と思ってみる。

臆病すぎるだけに見える歌手への抵抗感も、見方を変えれば強情って言えるし。



ただ振り回されるしかない子だと思っていたのに、

こんなところもあるんだな。





そんな意外な面も、けっこう可愛い。
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