俺様生徒会長に鳴かされて。
エレベーターの扉がしまるまで、寧音のクソむかつく笑い声が聞こえてきた。
「う、ウケる!
彪斗が!
あの彪斗が…!
女の子にマジ惚れー…!!!」
なんとでも笑えよ、くそっ。
俺だって、もう情けなくて
どうにかなっちまいそうだ…。
ほんと、調子狂う。
俺の言うことはなんでも聞け、だなんて言っといて。
もう例外認めちまった…。
くそ。
あの泣き顔、マジで反則なんだよ…。
この俺が。
この惣領彪斗が。
たかが女ひとりに、こんなに戸惑うなんて。
歌っているあいつを見た瞬間、この世のものなのかと息が止まった。
手をつかめたことにびっくりした。
つかんだ瞬間、消えてしまうんじゃないかと、どこかで思ったから。
つかめたら、絶対逃がしたくないって、我慢できなくて―――。
きっとそこから、俺は今までの自分を見失った。