俺様生徒会長に鳴かされて。
それに、まだ安心はできない。
可愛い花には、悪い虫がつきやすいからだ。
「おはよう、優羽ちゃん」
優羽と朝一番の会話をして上がっていた俺のご機嫌は、一気に急降下する。
「おはようございます…雪矢さん」
「あ、ゆっきー、おはよー!
今朝は早いねー!」
食堂に行くと、雪矢が早々と起きていて、松川さんと一緒に朝食の準備をしていた。
腰にエプロンを巻いて、シェフさながらの手際のよさでサラダを鮮やかに作っている。
雪矢…。
この中身じじい野郎は、気持ち悪いくらい規則正しい生活を送っているため強敵だ。
こうやってサラダを作ったり、コーヒーを挽いたり、しまいにはパンケーキとかまで作って、女の気をひくのは、こいつの口説き手段のひとつ。
澄ました顔をしてやがるが、そうやってオトした女の数は俺以上。
ほんと、あなどれないやつだ。
この雪矢が、あの朝の日に、ぬけぬけと宣戦布告してきやがった。