俺様生徒会長に鳴かされて。
「めずらしいよね

彪斗が力づくで女をものにしないなんて。

てか、初めてじゃない?」


「うるせぇんだよ」



俺だってそうしてやりたいのはやまやまだけど、出来ねぇんだよッ。



「ふふ。

もうわかってるとおもうけど、俺も優羽ちゃんに本気。

絶対俺のものにして、最高の歌姫にしてみせる」



あの涼しげに言ってきた言葉を思い出すと、はらわたが煮えくり返る。



あんな腹黒タラシ野郎に優羽を取られてたまるか。





雪矢は俺とはちがって表に立ってアーティスト活動もしているから、優羽との接点の数で言ったら俺が勝っている。



けど油断はできなかった。




って、警戒しているそばから、雪矢の間の手が優羽に近づく。



「優羽ちゃん、

今朝はスムージー作ってみたんだ。

イチゴベースだよ。イチゴ、すきだったろ?」


「わぁ、ありがとうございます」


「おいこら優羽!

そんなうれしそうな顔するな!

エサにつられるんじゃねぇ!」


「きゃっ…」



と引き離すが、手にはもうコップが握られていた。



「そんなもん飲むな」


「だって、せっかく作ってくださったのに悪いよ」



とコクリと飲む優羽。


「美味しい」



と零した笑顔の可愛さは…って!



見惚れてる場合か、俺は…!
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