俺様生徒会長に鳴かされて。
おもむろにポケットから出して発信元を見るなり、俺はさらに顔をしかめる。
噂をすれば、玲奈、だ。
長く大きな溜め息をついて、耳にあてた。
「―――もしもし、あー玲奈か。ああ、今朝は寝てる間に帰って悪かったな。…ってんな怒るなよ」
ニヤニヤ笑っている洸をにらみながら、相槌を打つ。
「わかったって。こんど埋め合わせにハワイにでも行こうな。
あー、それより、記者の連中相当かぎまわってるぞ。おまえ、今日は戻らないでそのまま仕事行った方がいんじゃね。ってか、もう会うの控えた方がいいかもな」
『えー!やだよっ!』
…うるっせぇな…。
鼓膜破けるだろ。
あーやっぱ、このバカなでかい声、耳障り。
俺は耳を離して玲奈の喚き声がおさまるのを待つと、てきとーに話を合わせて通話を切った。