俺様生徒会長に鳴かされて。



「なんだよ、洸」


「また彪斗が女の子を泣かすんだなーと思っておもしろくて」


「おまえいい加減シバくぞ」


「こわいこわーい。

ねー彪斗さ、もうちょっと女の子にやさしくしたらどうなの?」


「いじめっ子みたいに言うな」


「いじめっ子みたいなもんだろー。超絶イケメンの天才作曲家、惣領彪斗さまに曲を作ってもらいたい、あわよくばお付き合いしたい、って泣きついてくる女の子を手痛くあしらってばかりなんだから」


「どいつもこいつも才能ゼロのくせに、身の程をわきまえないからだ」


「ほらほら、そういうところが意地悪、女泣かせなんだよ。

そんなんじゃ、幸せになれないよん?」


「うるせぇ」


「試しにさ、女の子を泣かせない日、一日でも目指してみたら?今日からとかさー」


「は、そりゃ無理だ。もうさっき泣かせてきたからな」


「えー」


「しかも、超びっくりな絶滅危惧種女」


「はぁ?ぜつめつ、なに?」



あっけらかんとしている洸もさすがに怪訝に思ったようで、器用に眉を歪めている。



けど、説明するのもめんどくさいし、むしゃくしゃがどうにもおさまんなくてイラついていた。
< 92 / 269 >

この作品をシェア

pagetop