俺様生徒会長に鳴かされて。
「なんだよ、洸」
「また彪斗が女の子を泣かすんだなーと思っておもしろくて」
「おまえいい加減シバくぞ」
「こわいこわーい。
ねー彪斗さ、もうちょっと女の子にやさしくしたらどうなの?」
「いじめっ子みたいに言うな」
「いじめっ子みたいなもんだろー。超絶イケメンの天才作曲家、惣領彪斗さまに曲を作ってもらいたい、あわよくばお付き合いしたい、って泣きついてくる女の子を手痛くあしらってばかりなんだから」
「どいつもこいつも才能ゼロのくせに、身の程をわきまえないからだ」
「ほらほら、そういうところが意地悪、女泣かせなんだよ。
そんなんじゃ、幸せになれないよん?」
「うるせぇ」
「試しにさ、女の子を泣かせない日、一日でも目指してみたら?今日からとかさー」
「は、そりゃ無理だ。もうさっき泣かせてきたからな」
「えー」
「しかも、超びっくりな絶滅危惧種女」
「はぁ?ぜつめつ、なに?」
あっけらかんとしている洸もさすがに怪訝に思ったようで、器用に眉を歪めている。
けど、説明するのもめんどくさいし、むしゃくしゃがどうにもおさまんなくてイラついていた。