もし、生まれ変われるのなら……
2.雪だるま
あの日から16年がたった。
以来ずっと彼女を探しているが生まれ変わりのような人に会う事は無かった。
一人、人気のあまりない所を歩いていると雪が降ってきた。
無意識にアイツの事を思い出す。
京「…雪……」
??「だるま?」
アイツの名前をボソッと呟くと見知らぬ少女が真ん前に居た。
??「ぼっちですか?」
京「あ…うん…まぁ。」
いきなりの出来事に動揺していると目の前の少女はこう言った。
??「あの!!一緒に雪だるま作ってくれませんか!?作りたいんですけど……一人じゃ、寂しくて……」
京「……別に良いけど。」
暇だったので、少女と雪だるまを作る事にした。
冬香「私、宮野 冬香って言うんです。よろしくお願いします!」
京「よろしく。」
雪と同じ、冬らしい名前だなーと思った。
冬香「あの、お名前は?」
京「京。一ノ瀬 京。」
冬香「カッコイイ名前ですね!」
コイツ、元気だなー…とかと思っていると…
冬香「ところでさっきの…何だったんですか?」
京「え?」
冬香「さっき、"雪"って愛おしそうに呟いてたじゃないですかー?思い出があるとかですか?」
京「…別に?」
冬香「…私はありますよ。…良い物じゃありませんけど。」
急に元気を無くしながら口を開く。
冬香「大雪の日、家族が乗った車が事故に遭ったんです。私の誕生日が近いからって皆、お買い物に出てて、その帰りだったんです。…私は家に居て…皆、事故で居なくなって…。」
彼女の口は止まることなく動く。
冬香「寂しくて寂しくて…家族全員の雪だるま作って…おしゃべりして…」
京「だから雪だるま作ろうって言ったのか?」
冬香「はい。」
するとフッと明るくなって
冬香「だから今、すっごく嬉しいんです!」
そう言って笑う顔は何処か懐かしく感じた。
初めて合った"ハズ"なのに。