もし、生まれ変われるのなら……
4.失う辛さ

お茶目な少女と出会った日。

最後にメアド交換して別れた。

というのは不思議な出会いだった為、これも何かの縁だ、という事でした事だ。


…数日後、彼女から変なメールが来た。
題名や写真はなく、本文に「た」とだけ書かれていた。

返信してみたが返って来ず、電話も出ないんで、ついこないだ送られてきた物に書いてあった住所を頼りに家へ向かうと衝撃的な事実を知る。



冬香義母「…あの子、交通事故で大怪我して入院中なんです。」

京「え…?」

冬香義母「 …あの子から貴方の事は聞いています。良くしてくださってありがとうございます。」

京「あ、いえ…あの、入院されてる病院、教えてもらえませんか?」



冬香の義母は用事で行けないらしいので書いてもらった
メモを頼りに病院まで歩く。

そして病室へ。



京「冬香…?」



名前を呼んでみたが返事はない。
当然だが呼びたくなって呼んだ。

だって目、覚めてないし。

っつかなんで俺はコイツの所になんかに来てるの?なんで?

…自分が良く分かってる。

初めて会った日から惚れてたんだ。
一目惚れってやつか…

それにもうとっくに気付いてる。

コイツがアイツの生まれ変わりだと…

…また…俺は、大切な人を失う?

どうしよう…どうしよう…


そんな言葉だけが頭の中で回る。

-*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*-

「此処は何処?」

冬香は真っ暗闇に居た。

「…そうだ…私…轢かれたんだ…じゃあ…死ぬのかな‥?」

『死なないよ。』

「…誰?」

『雪って言うの。はじめまして、だね』

冬香の前に現れたのは小さい女の子だった。

「…あれ?…一ノ瀬さんの…好きだった…人?」

『うん。多分、私だと思う。あのね、私ね、死ぬ前に約束したの"また会いに来る"って"また好きになる"って。』

「それって‥どういう事?」

『生まれ変わって…また会って…もう一度好きになるって事。』

「……生まれ変わるって…じゃあ…」

『冬香ちゃんは私の生まれ変わり。冬香ちゃん、京君が大好きでしょ?』

「え//まぁ…うん…//」

『ふふ。ならさ…京君の事、よろしくね。』

「よ、よろしくね?って?」

『京君はね、冬香ちゃんをずっと待ってたの。…それとね、京君、冬香ちゃんの事、好きなんだよ。』

「う、嘘だよ…」

『耳をすませてみて』



―…冬香…?―

「一ノ瀬さん…!」

『ほら、来てくれた。』

「でも、なんて言えばいいの?」

『素直に気持ちを伝えるだけだよ。頑張ってね。』

それだけ言って雪ちゃんは消えた。
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