もし、生まれ変われるのなら……
5.お互いの気持ち

京「…冬香。」

京「…無視すんなよ。」

京「おい。」



何度声をかけても返事は無いし、瞼は閉じたまま。

…いつの間にか俺は冬香の手を握ってた。



冬香「………一ノ瀬……さん…?」

京「冬香…!」

冬香「…大好きです。」



やっと目覚めたと思えば手をグイッと引っ張られ、大好きと言われ、腕を抱かれる。

…頭、強く打ったか?



京「頭おかしくなったのか?」

冬香「違います。本気です。」



そう答えながら此方を見る目は本気だった。



冬香「一ノ瀬さんは…どうなんですか?」

京「え?」

冬香「私の事、探してたんでしょう?…雪ちゃんの…生まれ変わりを…」

京「え、うん。そうだけど…」

冬香「私の事、どう思ってますか?…雪ちゃんの生まれ変わりとしてじゃなくて…宮野 冬香として…」



言葉が詰まる。

なんて言えばいいんだ…?

"思っている事を素直に…"

そうだ…素直に…



京「好き。だから…寝てろ。」



やっと言えた、ホントの気持ち。

16年間…ずっと雪の生まれ変わりを探してた。必死に、懲りずに…

けど実際、居たのは雪ではなく、別の少女だった。…雪の思いを継いだ……



京「絶対、離さないから…」



離す訳がない。

だってコイツは…

『俺の"大切な人"だから…』


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