お婆ちゃんは魔法使い

お婆ちゃんが　そう言うと　幸介は　じっと絵を　見詰めた。



「でもなあ～～　絵を文字に書くって


絵を描くより難しいよ。絵の何処から書こうかな。



絵を描くのは　僕好きだけど


言葉にするのは　僕は苦手だよ。」



幸介はそう言うと



鉛筆を持ったまま　



絵をじっと見詰めて居た。



お婆ちゃんは　はっと気が付いた。


そうだ書き始めの絵を決めれば良いんだ。


それが作文の書き出しの文章になる。


そう想ったお婆ちゃんは気が逸った。


「絵の何処から描きたいの。


一番描きたい絵のところから言葉にすれば良いんだよ。



孝介君は良いことを言ったね。」


お婆ちゃんは出来上がったような気分になった。



「絵の何処から書こうかな。」


孝介は首を曲げながら絵をじっと見た。


ここだ・・・このチャンスを冷ましちゃ駄目だ。

お婆ちゃんは焦った。


また平然とした顔でお婆ちゃんは言った。


「そうだね　聡君と遊ぶ話をしたのは


どの絵のところかな。」


そう言ってお婆ちゃんは孝介の描いた絵の


あちこちを指差した。


「聡君と遊ぶ相談をした絵は何処なの


その絵のところから文章にすれば良いんだよ。」