お婆ちゃんは魔法使い
イメージが絵になる
思ったことや 考えたことを頭に浮かべ
そのイメージを 絵にすることから
孝介の記憶を 何処まで鮮明に
思い浮かばせられるかが
お婆ちゃんの魔法が効くかどうかの鍵になる。
触ったり、食べたり、聞いたり考えたことが
何処まで幸介の体に染み付いて居るだろうか。
お婆ちゃんは不安に襲われたが
此処で 試さなければ作文に
書くと言う作業に進められないと思った。
よし・・・試してみよう。
お婆ちゃんは 一言・・一言
ゆっくりと聡君の家を浮かべられる
間を置いて 再現出来るように 話し始めた。
「孝介君・・・ 聡君の家の玄関は
タイルが貼られて居たよね。・・・・・
そうだろう。・・・・」
ゆっくり・・・ゆっくり・・・
小さな声で 幸介の脳に忍び込むように話し始めた。