お婆ちゃんは魔法使い



真剣に聞く孝介を、裏切るわけにはいかない。




耳を澄まし目を硬く瞑った孝介の思いを



冷めないように注意しながら、



記憶を呼び戻さなければならない。



さも本当のように 話を続けた。




「孝介君 聡君の部屋は 薄暗いよね。



昼でも電気を点けないと見えないよね。」



お婆ちゃんは聡君の部屋には入ったことがない



想像で話したので 幸介の反応が楽しみだった。






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