お婆ちゃんは魔法使い
幸介君 良く覚えて居て 話してくれたね。
消えてしまうのが 勿体無いから
繰り返し聞いて思い出せるように録音しようと
お婆ちゃんは考えたんだよ。
遊んだことをそっくり話せたら孝介君の
頭が録音機になるんだよ。
そうなったら凄いね。
録音なんかしなくても済むようになるんだよ。
でも録音は 幸介君の話したことを
もう一度聞くことが 出来るんだよ。
録音って・・
人間の覚えて居たことをそっくり話してくれんだものね。
凄い機械だね。
覚えて居られない時に録音すれば
同じことをもう一度聴けるんだよね。
幸介君が忘れたことでも
もう一度聞くことが出来るんだよ。
大人になった幸介君が子供の時の
自分の声を聞けるんだよ。
人間も録音テープのように 覚えて居たら
作文は簡単だね。
作文を書くことは 文字の録音なんだよ。
思っただけでは 忘れてしまうでしょう。
紙から声が聞こえて来るように書けば良いよね。」