お婆ちゃんは魔法使い



この話し言葉が文字に生まれ変われば、



文章を書く大きな力になり



作家になる条件が備わるであろう。


家族との関わりの 体験と 会話が 深さと広がりを育む時


机の上で決して生まれて来ない味わいの深い話し言葉が


身に着くと想うと焦る気持ちが高鳴る。



自然や社会の営みの 言葉は 



細胞のように繋がって居て 



血液のように 言葉のエネルギーが生まれた先に



会話が文章に生まれ変わる。



何気ない毎日の生活は血液の流れと同じに


すべて繋がって居る。


視て・感じて・・話して・・文字に書く・・


この力が売り込めれば大きな力になって


孝介は大きく成長するであろう。


お婆ちゃんはそんな青年の姿を描きながら


孝介に話せす喜びを感じて欲しかった。


読んだ文章から好きな言葉を貰うのも良いことだが


新鮮味や独自性に欠ける。



言葉に自分の命を宿さなければ


自分の文章とは言えないから


自分が見て聞いて感じた言葉を話すことから



文章は命を宿して社会へと巣立つのだと想うと


じっとして居られず孝介に語りかけたくなる。


体で感じて 心で確かめないと



言葉の数も繋がりも 敏感に感ずる実感が沸かない。



言葉は計算し 料理をしなければ



自分の言葉としてのエネルギーが



宿らない道具なのだと思う。



自分の言葉にするためには



肌で感じ 匂いを感じ 音で感じなければ


心に生まれて来ない。




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