イケメン侯爵様とお試し結婚!?
番外編２　クレール侯爵家の人々１
「ううう・・・緊張するわ・・・」

アマルダは胃の辺りを押さえながら、こう呟きました。

今日はヴァン様の両親であるクレール侯爵夫妻がこの屋敷に帰ってくる日。
それに合わせてヴァン様の兄夫婦も屋敷に来るとの事でした。


いずれは会わなければいけない大事なヴァン様の家族。
覚悟はしていたアマルダでしたが、やはりその時が近くなると緊張してしまいます。
こんなことなら、少しは淑女としてのマナーをやっておくべきだった、と今更ながらに後悔。

「大丈夫、そんなに気にする必要はありませんよ。皆気さくな人達ですから」
「でも・・・」
「アマルダなら、大丈夫ですよ」

にこり、と微笑むとヴァン様は何も言わずアマルダを後ろから抱きしめました。

「もう・・・また！」
「いいじゃないですか。こうしてアマルダの体温を感じていたいんです」

思いが通じ合った日から、暇さえあればこうやって後ろから抱きしめられる毎日。
それが嬉しくもあり、恥ずかしくもあり。
なんともむず痒い気持ちになるのでした。

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