イケメン侯爵様とお試し結婚!?


「ヴァン様、アマルダ様。クレール侯爵夫妻が到着されました」

侍女の言葉に、アマルダ達はエントランスへと向かいます。
エントランスに近づくにつれて高まる緊張。

お淑やかに、凛として!
なるべく粗が出ないように!

そう心の中で自分に言い聞かせながら、クレール侯爵夫妻を出迎えたのでした。


「ただいま帰った。ヴァン」

屋敷の扉を開けた先に立つヴァンのお父様、クレール侯爵。
ヴァン様に似た目鼻立ちのしっかりとしたお顔。少し皺はありますが、それでも若く見えます。
少し白髪交じりの茶色の髪。そしてすらりとした背。
優しそうな笑顔に、アマルダはドキリとしてしまいました。

きっと、ヴァン様が年をとると、こんな感じになるのかも・・・。

アマルダはヴァン様の将来を見たような気がしました。


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