イケメン侯爵様とお試し結婚!?

「ああ、君がグランベール伯爵の愛娘、アマルダ嬢だね。初めまして。私はグラナド・リル・クレール。ヴァンが無理を言ってすまなかったね。ここでの生活は辛くなかったかい?」
「お初にお目にかかります、クレール侯爵様。アマルダ・ルイン・グランベールと申します。・・・いえ、ヴァン様初め、ここの方達が良くしてくれたものですから、とても快適に過ごす事が出来ております」

アマルダはドレスの端を持ち、頭を下げながらこう答えました。
失礼なくちゃんと答えられているのか不安で、アマルダの手は少し震えていました。


「ああ!もう疲れたわ!!!早くこのドレスを脱ぎたい!苦しくてしょうがない!!」

大きなつばのついた帽子を被り、両手に大量の荷物を抱え、濃い紫色のドレスの裾を靡かせて屋敷に入ってきたのは夫人のイルダ様です。
イルダ様もまた美しく、子供2人生んだとは思えない程引き締まったボディライン。そして透き通るような白い肌。カールのかかった輝く金色の髪。皺の見えない顔。

アマルダは、あまりの美しさに言葉を無くしてしまいました。

なに、この美男美女家族・・・。
この場にいるのが物凄く恥ずかしいんですけど・・・。

< 113 / 163 >

この作品をシェア

pagetop