イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「なんか・・・すごいお母様ね・・・」
「・・・でしょう?母には頭が上がらないようで。ああ見えて父は母を溺愛してましてね。結婚するまで相当大変だったと、よく父が話していました」
「へえ・・・」
「母はアマルダに少し似ているんですよ。明るくて、あっけらかんとしていて」
・・・確かにお母様は私に似ている気がする。
お淑やかな女性よりも、さばさばとした明るい女性。
そういう女性がクレール侯爵様は好きなのね。
外見は全く違うけど・・・。
ん?
ってことは・・・。
「・・・もしかしてヴァン様って・・・」
「・・・マザコンって言いたいんですか?・・・違いますよ」
ヴァン様はアマルダが言おうとしていた事がわかったのか、少しムッとしながらそう答えました。
「父と女性の趣味が一緒って事だけです。まあ、あの母に育てられてきた訳ですから、馬に乗って出迎えるアマルダを見たって驚きはしませんよ。むしろさらに興味を持ってしまいます」
「あ、あははは、そうなのね。どおりで・・・」
そうか・・・。私のやっていた事は全て裏目に出てしまったって事なのね。
ああ、それをもう少し早く知っていれば・・・。