イケメン侯爵様とお試し結婚!?
・・・全くこの親子は・・・。
恥ずかしげもなくよく言えるわね・・・。

ちらりとイルダ様を見ると、イルダ様もまた顔をひきつらせていました。
イルダ様もあまり慣れてはいないようで・・・。

「もう！そういう事人前で言わないで頂戴。恥ずかしいったらありゃしないわ！」
「本当、イルダ様の言う通りです」

アマルダはイルダ様の言葉に頷きながら話します。
そう言われた男２人はお互いの愛する人を見つめ、そして。

「イルダ！それだけ私は君の事を今でも思っているんだ！恥ずかしいなんて言わずに受け止めてくれ」
「そうですよ、アマルダ。人前でも君に愛を囁きたいんだ。それはおかしい事なのかい？」


「「おかしい！！！」」


アマルダとイルダ様は同じ言葉を、同時に発してしまいました。
二人、目を合わせて笑い出します。



こんなに楽しい食事の時間はいつぶりでしょうか。
アマルダの母は、アマルダが１０歳の頃に病気で亡くなり、それからはグランベール伯爵様と姉のリリアの３人での食事でした。
リリアが結婚し家を出ると、伯爵様と２人。
伯爵様は仕事で屋敷に戻らない事も多く、１人で食事を摂る事も少なくありませんでした。
静かな食卓に慣れていたアマルダではありましたが、やはりどこかで寂しさを感じていたのです。




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