イケメン侯爵様とお試し結婚!?
「・・・ありがとう、ヴァン様」

食事が終わり、寝室で。
アマルダはそう、ヴァン様に告げました。

「ん?どうしたの?突然」

ヴァン様は驚いた表情でアマルダを見ました。
アマルダはそんなヴァン様の顔を見つめながら、話を続けます。

「嬉しかったの。こんなに楽しい食事は久しぶりだったから・・・。母が早くに死んで、いつも静かな食事で。ヴァン様と一緒にならなければ、こんな機会はなかったのかも知れないと思うと、どうしても言いたくなって」
「アマルダ・・・」

「私に結婚を申し込んでありがとう。私、ヴァン様の事を好きになってよかった。人前で言うのは恥ずかしいけれど、2人きりの時は素直に言うわ。・・・ヴァン様、愛してる」

その言葉にヴァン様は破顔すると、優しくアマルダを抱き締めました。

「私も愛しているよ、アマルダ。これからもっと家族が増えて、賑やかになるよ。楽しい時を2人で作って行こう、ずっとね」

「はい・・・!」



――――――溢れる幸せ。

アマルダは瞳を閉じてヴァン様の腕に抱かれながら、その幸せをひしひしと感じていたのでした。
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