イケメン侯爵様とお試し結婚!?

「恋って・・・すごいな」

「そうだね。自分でも驚いてるよ」

そう言うとヴァンはなくなったお酒を追加します。
そして、考え込むサイモンを見てヴァンもまたふっと笑みを浮かべました。

「早くサイモンも見つけなよ。お前が恋で悩み苦しむ姿を見てみたいなぁ」

「・・・悪趣味な奴だな。たとえそうなったとしても、俺はお前だけにはそんな姿、絶対に見せないぞ」

ははっとヴァンは笑うと、追加したお酒をまた勢い良く飲むのでした。

「勝負はこれから。今日はその景気付けに潰れるまで飲むよ。付き合ってくれよ、サイモン」

「・・・奢りなら、喜んで」


「交渉成立。では、改めて、乾杯」

差し出されたグラスがカチンとなり、またそれぞれ飲み干していきます。