イケメン侯爵様とお試し結婚!?

「そう言うサイモンはどうなの?ヴァンが結婚を決めた今、もう貴方だけじゃない?騎士隊の男の中でお一人様なの」

クレアの言葉に我に返るサイモン。

「あっ・・!そう・・・なんですけどね。なかなか」
「あら?意外と理想が高いのかしら?夜会で沢山いるでしょう、魅力的な女性達が」
「理想・・・ですか。そんなに高いとは思ってないですけど、こう、ピンと来るものがなくて」
「なぁんだ、つまんない」

クレアはピスタチオの殻を指でパキリと壊します。そして、話を続けました。

「まあ、お互いの想いが通じていない結婚なんて、こんな感じですぐ壊れてしまうから、焦る必要なんてないわ」
「・・・クレア様の結婚は、そうだったんですか?」
「そうよ。私が彼の事が好きで、無理矢理結婚したようなもの。私の家が爵位が高かったから、あちらも断れなかったのよね。結婚すれば上手く行くと思っていたけど、やっぱりダメだった。相手の気持ちは変わらなかったの」

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